長寿
私たちは、科学的研究や公衆衛生政策、アドボカシー、そして社会運動を通じて、すべての人々の健康寿命の延伸を主張していきます。そして健康寿命の主要な敵となる老化プロセスと戦っていく重要性を指摘し、この戦いを前進させてゆきます。
老化は、あらゆる人々に苦悩を与えるほとんどの慢性疾患の主要な要因です。老化は障害や死亡率のもっとも大きな要因であり、それ相応の対処をしていく必要があります。社会は、疾病への対処のために献身的な努力をはたしていく必要があるのです。
老化の問題は深刻かつ切迫したものです。それにもかかわらず、私たちは、しばしば老化の問題のリアリティや重大さがほとんど完全に忘れされられている状況を目にしています。老化による精神状態や死から目をそらす傾向にあり、誤った弁解がましく夢想的な考えのもとで老化や死を表現する傾向さえもあります。同時に、老化はまったく制御不能で避けることのできないプロセスであるという根拠のない信念すら存在しています。この老化の問題への無関心と根拠のない無力感は、高齢者のウェルビーングの改善と健康長寿に何ら貢献しないのです。この深刻さと重大な関心のもとで、老化の問題を示し、できる限りの解決策や緩和策を作り上げるために活動してゆく必要があるのです。
このような観点から、私たちは老化の問題について社会的な関心を高めるよう呼びかけます。私たちは、この深刻な問題を一般の人々が認識するように、そして、老いる人々の利益と人びとの健康長寿のために、最大限可能な限り老化の問題を緩和するべく努力し、経済的、社会政治的、科学的、技術的、そしてメディアといった資源を問題解決のために投じるよう呼びかけます。私たちは、精神的な、そしてスピリチュアルな成熟と健康長寿が老いや衰えと併存するものではないという考え方を訴えていきます。
私たちは基礎的、応用的な生物医学研究の充実と促進を求め、また、同様に健康長寿に向けた技術的、産業的、環境的、公衆衛生的、そして教育的な対策の発展を求めます。十分な支援が与えられれば、これらの対策によって高齢化する人口の健康余命が伸び、生産的な期間が伸び、社会や経済の発展への貢献が増し、そして、人びとの人生の楽しさや生きがいが増してゆくのです。
健康的な生活を拡大してゆく科学的な手法の発展は、専門家によるコミュニティによってのみならず、幅広い市民の手による最大限の公共的で政治的なサポートによってもたらされるものであると、私たちは主張します。